第一部 fromis_9、チャン・ギュリの脱退に想うこと。

 

2022年7月28日午前11時。fromis_9チャン・ギュリの脱退が知らされた。

「fromis_9の今後の活動に関するご案内」というお知らせが出される直前まで、毎日のように「9人で仲が良いfromis_9が大好きだ!!!!!」と騒いでいた私にとって、それは、衝撃の大きすぎるお知らせだった。

 

私にとってfromis_9は、初めての女性アイドルの推しである。

fromis_9を推し始める前の私は、嵐、NEWS、SixTONESSEVENTEENといったような男性アイドルにしか興味がなく、それと同様に推しは男性だけである。反対に、常に私の一番近くにいる人(双子の妹。以下、片割れ)はAKB48乃木坂46欅坂46、TWICEというように、女性アイドルしか推したことがないという。

fromis_9を推し始めるまで、片割れが女性アイドルを推している姿を横目に見ながら、「私が女性アイドルを推すことはない」と豪語していたほど、女性アイドルに興味がなかった。(ちなみにKPOPアイドルを推すことはないと豪語していた時期もある。人生タイミング次第で本当に何があるかわからない。)私は一生男性アイドルしか推さないと思っていたし、片割れも、周りの友だちも、「あなたが女性アイドルを推す日は来ない」と思っていたらしい。

 

転機が訪れたのは2021年8月16日、去年の夏のことである。TwitterSEVENTEEN界隈のタイムラインを見ていると、「fromis_9、全員でPledisエンターテインメントに移籍を発表…新たなスタートに高まる期待」という記事が多数流れてきた。SEVENTEENがPLEDIS所属のアーティストであるためタイムラインに流れてきたと思う。私はPLEDISのコンセプトと曲のセンスを信頼しているから、「PLEDISに女性アイドルグループが移籍したんだ!ちょっとこれから見てみよ~」といった軽い気持ちで注目し始めた。

同年9月カムバックの「TalkTalk[1]を見てみたり、音楽番組初一位[2]に驚いてみたり、2022年1月カムバックの「Midnight Guest」[3]の活動を一部追ってみたり、音楽番組で二度一位を取ったことに喜んでみたり、号泣する彼女たちと一緒に泣いてみたり。そうやって少しずつ彼女たちにハマっていったのだと思う。明確な沼落ちの日を覚えているわけではないが、「Midnight Guest」の活動終了後、私は完全にfromis_9を推していた。

「私が女性アイドルを推すことはない」と豪語し、周りから「女性アイドルを推す日は来ない」と言われていたのにも関わらず、注目し始めてからわずか数カ月で、ものの見事にアルバムを買い集めていたのである。

 

過去の映像を見れば見るほど9人の関係性が好きになったし、一つ一つのカムバックがまるで最後のカムバックだと示すように死力を尽くす姿を見て、推さないという選択ができなかった。flover(fromis_9のファンダム名)が出す嬉しい結果に毎回全力で喜んで感謝をしている姿、毎日のようにWeverse(公式コミュニティプラットホーム)に訪れて大量のコメントを残していくfloverへの尽くしよう等々、挙げたらキリがないけど、推し始めてから毎日、何かしらの供給と共に幸せをもらっている。

 

気が付いたらどうしようもなく、彼女たちが大好きだった。

私よりも前からfromis_9に注目していた片割れが、隣で同じようにfromis_9を好きになっていったのも大きかった。

アイドルを推すという趣味は同じであり、ファンとしてのスタンスが似ている片割れと私。推すアイドルの性別の違いという決定的な違いがあり(簡単に先述した興味と推しを見ていただければわかると思う)、推すアイドルは一生交わることがないと思っていたが、fromis_9で初めての推し被りを果たす。

深夜一緒にYouTubeのパフォーマンス動画や公式チャンネルを見漁り、毎日毎日fromis_9の曲を聞き、二人でfromis_9を語る時間が増えた(今まではどちらも推しについて語りたいことをただぶつけるだけの一方通行だった)(なかなかにカオス)。そして、そのことが生活の一部になっていった。

そんな中で、2022年6月6日、同月27日に「from our Memento Box」[4]でのカムバック が決まった。fromis_9を推し始めて、初めてカムバックを最初から最後まで全て追うことができた。毎日新しい姿を見ることができて楽しかった。嘘みたいに何度も一位がをプレゼントできて、floverの団結を感じて、嬉しかった。彼女たちが毎回本当に驚いて喜んでくれて、「嬉しい」「ありがとう」と何度も聞くことができて、ただただ幸せな活動期間だった。

 

アイドルに永遠はない。

そんなことは、数年間アイドルに興味を持って推してきた身として心から理解しているし、KPOPアイドルの脱退や解散が珍しくない世界であることも、7年の壁が大きいということも、頭ではわかっている。

それでも、9人がずっと一緒にいてほしいと願ってしまっていた。画面から感じ取ることのできる嘘偽りのない彼女たちの仲の良さから、もしかしたら、という夢を持ってしまっていた。

 

2022年7月28日午前11時。fromis_9チャン・ギュリの脱退が知らされる。

7月いっぱいで脱退をするにはお知らせが急すぎたこと、そもそもギュリちゃんがPLEDIS所属のアーティストではなかったこと、初めに大きな驚きがきて、すぐ後に次々と湧いてくる疑問や悲しみに、思考が停止した。それが事実だと信じられず、お知らせを読んですぐに一度iPhoneを閉じて二度寝をした。

推しグループから脱退者が出るという体験は、初めてではない。だけど、ここまで信じられない脱退は初めてだった。ギュリちゃんは、どうして今脱退することにしたのだろう、どうして脱退するのだろう。

 

私たちアイドルのファンは、本人がどんな経緯で、どんな思いでグループを脱退するのかを、一から十まで全て知ることはできない。どれだけその人のことを知っていて、その人らしい考えを述べても、それは憶測の域を超えない。

だけど、その憶測は時に、ぽっかりと空いた心に”納得する”という、脱退を受け入れる姿勢を作ってくれることがある。

第二部では、そんな、私の憶測を連ねようと思う。

 

最後に。

ギュリちゃんにfromis_9単独公演でパフォーマンスをしてほしかった。fromis_9の公式ペンライトが揺れる光景を見てほしかった。フルアルバムだって、日本デビューだって、経験してほしかった。アイドルとしてもっともっとたくさんのことを経験してほしかったという気持ちが、抱えきれないほどある。だけど。fromis_9として、メンバーの横で笑うギュリちゃんの笑顔からもらった幸せもまた、抱えきれないほどあるのだということを、いつまでも覚えていたい。

私は8人のfromis_9も、fromis_9ではないギュリちゃんも、大好きであることに変わりがないことをわかっているから、9人のfromis_9からもらった、1年弱の幸せな記憶を大切にして、また新しい9人を応援していきたい。

9人全員の選んだ未来が、幸多からんことを願っています。

本当に!9人全員、幸せでいてください!

 

第二部へ続く(はずですが、まだ全く書き終わっていないのでまたそのうち…)。

 

 

[1] fromis_9 (프로미스나인) 'Talk & Talk' Official MV  https://youtu.be/BjmmvBMXbSU 

[2] fromis_9, THE SHOW CHOICE! [THE SHOW 210907]  https://youtu.be/iGh_fyHifeE 

[3] fromis_9 (프로미스나인) 'DM' Official MV https://youtu.be/4gXmClk8rKI 

[4] fromis_9 (프로미스나인) 'Stay This Way' Official MV  https://youtu.be/JC6budcACNE